工場の資材置き場や解体現場のヤードに、鉄以外の金属が種類ごとに分かれないまま積まれている。銅らしきもの、アルミらしきもの、電線、外した機械部品。まとめて処分するべきか、分けて売るべきか、そもそも何が売れるのかが判断できない。複数の金属くずを管理していると、こうした状態になりがちです。
非鉄金属は、一般に鉄を主成分としない金属の総称で、銅、アルミ、真鍮、砲金などが含まれます。種類や状態によって評価が変わるため、分かる範囲で品目を分けておくことに意味があります。ただし、すべての材質を自社で特定する必要はありません。判別できないものは無理に断定せず、そのまま相談してください。この記事では、群馬県内で複数の非鉄金属の売却を検討している方に向けて、品目の範囲、見分けるときの確認項目、分別の効果、そして混ざったままの場合の進め方を説明します。
■非鉄金属とは何か
非鉄金属という言葉は、鉄を主成分としない金属をまとめて指すときに使われます。日本鉱業協会は自らを「銅、亜鉛、鉛、金、銀、ニッケル等の非鉄金属の鉱業・製錬業の団体」と説明しており、ここに挙がっている金属が代表的なものです。経済産業省の資料では、非鉄金属は産業機械、自動車、情報通信機器などの基盤となる産業と位置づけられ、なかでもアルミニウムと銅が中心的な素材として扱われています。
スクラップとして現場から出てくるのも、この銅とアルミが中心です。そこに真鍮や砲金といった銅合金、そしてステンレスが加わります。
当社は群馬県太田市に本社を置き、鉄と非鉄金属の双方を扱っています。対応地域は群馬県・栃木県を中心とした関東一円です。
■鉄との違いと、ステンレスの位置づけ
分類の軸は、鉄を主成分としているかどうかです。鉄筋、H鋼、鋼板、鋳物といったものは鉄スクラップとして扱われ、銅やアルミはそれとは別の系統になります。
ここで整理しておきたいのがステンレスです。ステンレスはクロムやニッケルを加えた合金ですが、主成分は鉄です。分類の話をするなら、非鉄金属には当たりません。一方、スクラップの取引では鉄スクラップとは分けて扱われることがあります。「非鉄金属の一種」と説明されている場面を見かけるのは、この取引上の区分に由来するものです。
分類上の説明と、取引の現場での扱い。この二つは別のものとして理解しておくと、業者とのやりとりで話がずれにくくなります。ステンレスをお持ちの場合は、非鉄金属と一緒に相談していただいて構いません。
■工場や現場で発生しやすい非鉄金属
手元の金属が何かを考えるとき、材質から入るより、どの設備や製品から出たかを起点にするほうが早く絞り込めます。当社が取扱品目として掲載しているのは、銅、被覆線、アルミ、ステンレス、モーター類、トランス、鉄、自動車関連、その他雑品です。このうち非鉄金属に関わるものを見ていきます。
・銅
赤みを帯びた色が特徴で、非鉄金属のなかでも中心的な素材です。配線の導体、給水・給湯の配管、ラジエーター、盤内の部材、電気設備のブスバーなど、発生する場所は多岐にわたります。表面が酸化して緑や黒っぽく変色していても、削った断面に赤みが出れば銅の可能性があります。
当社は精錬工場に溶錬炉を備えており、銅を使った非鉄金属製品の製造および販売まで行っています。回収した銅を素材として扱う工程を自社で持っている点が、他の品目と少し違うところです。
・真鍮と砲金
どちらも銅を主成分とする合金です。真鍮は銅と亜鉛の合金で、金色に近い黄色みのある色をしています。バルブ、継手、水栓金具、建具の金物などでよく見かけます。砲金は銅とすずを中心とした合金で、軸受やバルブ、ポンプ部品などに使われます。
色味で見分けられることが多いものの、表面処理やメッキが施されていると判断しにくくなります。刻印や製品名が残っていれば、それも手がかりになります。
・アルミ
白っぽく、光沢の抑えられた銀色です。もっとも分かりやすい特徴は軽さで、同じ大きさの銅や鉄と持ち比べれば違いは明らかです。サッシ、ホイール、ラジエーター、機械のカバーやフレーム、脚立や台車の部材など、建築から製造現場まで幅広く出てきます。
・ステンレス
前述のとおり主成分は鉄ですが、取引では分けて扱われます。厨房機器、配管、タンク、機械のカバーなどが発生元です。SUS304とSUS430では成分が異なり、磁石への反応にも違いが出ます。種類の見分け方と査定前の確認事項については、専用の記事で詳しく扱っています。
・被覆線、モーター類、トランス
電線や通信線は、内部の導体である銅が対象になります。被覆が付いたままの状態で扱われるため、剥いてから持ち込む必要はありません。モーターやトランスも、内部に巻かれた銅線を含む品目として扱われます。
電線については、種類の区分や査定前に確認しておきたい項目を専用の記事にまとめています。
銅・被覆線・アルミ・ステンレスなど、株式会社安藤が掲載している取扱品目を確認したい方へ。
■見分けるときに確認する項目と、その限界
現物を前にしたとき、次の5点を順に見ていくと絞り込めます。
まず発生元です。どの設備、どの製品から外したものかが分かれば、使われている材質はかなり限定されます。次に色。赤みなら銅、黄色みなら真鍮、白っぽければアルミ、というのが大まかな目安になります。三つ目は重量感で、同じ大きさで持ち比べたときにアルミは明らかに軽くなります。四つ目が磁石への反応、五つ目が刻印です。材質記号やSUSから始まる表記が残っていれば、それが最も確実な手がかりになります。
ただし磁石には限界があります。磁石につかないからといって非鉄金属とは限らず、逆にステンレスのなかにも磁石につく種類があります。ステンレスは加工によって磁性を帯びる場合もあるため、反応の有無だけで材質を決めることはできません。表面処理やメッキがされていれば色による判断も難しくなります。
外見だけで材質を断定しないこと。これは当社が現場で確認するときの前提でもあります。判断がつかないものを無理に分類する必要はありません。
■分別すると何が変わるか
品目ごとに素材としての価値が異なるため、混ざったままでは個別の評価が難しくなる場合があります。銅とアルミと鉄が同じ容器に入っていれば、選別の工程を挟まなければ内訳が確定しません。分けられるものを分けておくと、その分だけ確認が早く進みます。
分別の効果は、置き場の作り方にも関わります。群馬県太田市のプレス加工・大型金型製造工場では、銑ダライ粉(鋳物切粉)や新断(プレス屑)など複数の品目が日常的に発生していました。従来の回収容器が現場の作業動線に合っておらず、積込作業に時間がかかり、容器からのはみ出しによる安全面の懸念もありました。
そこで作業効率と安全性を考えて回収容器を変更・改造し、「スクラップをなるべく立てず、かさばらせずに容器に入れる」という整理ルールを現場で共有しました。分別が曖昧だった品目については、明確な指針を設定しています。結果として1回あたりの回収量が増え、それが買取単価にも反映されました。作業の見通しと置き場の見栄えも改善しています。
継続的にスクラップが発生する現場では、分別そのものより、分別が続く仕組みを作れるかが効いてくるということです。
■分別できない場合の対応
とはいえ、すべてを分けられる現場ばかりではありません。解体工事で一度に大量に出た場合、材質の判別がつかない部材が混ざっている場合、そもそも人手を割けない場合もあります。
その場合も相談していただけます。当社は回収、選別・加工、出荷という流れで一貫して対応しており、プレス機や切断機をはじめ非鉄金属のリサイクルに必要な設備を多数保有しています。選別を前提とした体制があるため、分けきれていない状態でお持ちいただくことは想定の範囲内です。
進め方としては、分かる品目だけ分けていただき、判断できないものはまとめたまま、写真と発生元をお知らせいただく形になります。「この盤から外した部材」「この機械を解体したときのもの」といった情報があれば、そこから絞り込めます。
ただし、選別や処理の工程が必要になる分、混ざった状態と分かれた状態では条件が変わる場合があります。手間をかけずに出すか、分別に人手を割くかは、量と現場の状況を見て判断してください。どちらが適しているかを含めてご相談いただければと思います。
■問い合わせ前に整理しておきたいこと
以下の項目を、分かる範囲で確認しておいてください。すべて埋まっていなくても相談は進められます。
- どの製品、設備、工事から発生したものか
- 金属の色(赤み、黄色み、白っぽさ、鈍い銀色)
- 同じ大きさで持ち比べたときの重量感
- 磁石を当てたときの反応
- 材質記号やSUSなどの刻印の有無
- 形状(板材、配管、線材、機械部品、切粉など)
- 被覆、樹脂、鉄、油などの付着物
- 品目ごとの概算量
- どこに保管しているか、搬出経路の状況
- 自社の車両で運べるか
量については、正確な重量が分からなくても構いません。「パレット何枚分」「ドラム缶何本分」「2トン車で何回分」といった目安があれば、対応方法の見当がつきます。写真は品目ごとに引きと寄りの2枚ずつあると確認しやすくなります。
■持ち込みと引き取りのどちらを選ぶか
売却の方法は、自社で運び込むか、引き取りに来てもらうかの二通りです。量と運搬手段で選び分けます。
持ち込みは、自社の車両に積める量なら選びやすい方法です。当社では乗用車から4トントラックまで受け入れており、少量でも買取に対応しています。品目ごとに分けて積んでいただければ、そのまま計量に進めます。
引き取りは、解体現場や工場から複数品目がまとまって出る場合、運搬手段がない場合の選択肢です。大量の場合はスタッフが買取に伺い、ユニック車を使って現地で計量します。継続的にスクラップが発生する現場には、保有している20台のコンテナから現場に合ったものを配置し、品目ごとに分けて回収する形もとれます。重機や車両を自社で保有しているため、リースを使わない分のコストを条件に反映できる点も含め、回収体制はこちらでご確認ください。
量や回収場所によって、引き取りの条件が変わる場合があります。搬入路の幅、車両を停められる場所、コンテナを置けるスペースの有無といった条件は現地で判断するため、保管場所の状況もお知らせください。
■非鉄金属の売却でよくある質問
複数の種類が混ざっていても相談できますか
相談していただけます。分かる品目だけ分けていただき、判断できないものは写真と発生元をお知らせください。選別の工程を前提とした設備を持っています。
材質が分からないものが混ざっています
材質の特定は現物を見なければ難しい場合が多く、こちらで確認します。ご自身で断定しようとする必要はありません。
油や樹脂が付いたままでも大丈夫ですか
状態を事前にお伝えいただければ相談できます。ただし付着物の程度によっては確認や処理の工程が必要になるため、どの程度付いているかは把握しておいてください。
量が正確に分からないのですが
目安で構いません。パレットやドラム缶、トラックの台数などに置き換えていただければ、対応方法を検討できます。
どのくらいの規模まで対応できますか
群馬県太田市のメーカー工場では、変電設備のキュービクル、被覆電線、ギロ材といった機械解体物をまとめて引き取った実績があります。建設解体業者、機械製造メーカー、自動車産業、金属加工工場、電子機器製造業者など、法人のお客様との取引が中心です。
買取価格を先に教えてもらえますか
相場は品目ごとに変動し、材質と状態も現物を確認しなければ判断できないため、事前に単価を確定してお伝えすることはできません。品目、状態、概算量をお知らせいただければ、確認に必要な情報が足りているかはその時点でお答えできます。
■まとめ
非鉄金属は、一般に鉄を主成分としない金属の総称で、銅、アルミ、真鍮、砲金などが含まれます。ステンレスは主成分が鉄の合金ですが、スクラップの取引では分けて扱われることがあり、分類上の説明と取引上の区分は別のものとして理解しておくと混乱がありません。
現物を確認するときは、発生元、色、重量感、磁石への反応、刻印を順に見ていきます。ただし磁石は手がかりの一つにすぎず、材質を特定する手段にはなりません。分けられるものは分け、判断できないものは無理に断定せず、そのまま相談してください。
当社は太田市で1世紀以上にわたって金属スクラップを扱い、回収から選別・加工、出荷まで一貫して対応しています。群馬県・栃木県を中心とした関東一円で、持ち込みと引き取りの双方をお受けしています。
種類を判別できない金属や、複数の非鉄金属がまとまって発生している場合は、品物の写真、発生元、概算量、保管場所を整理してご相談ください。

