【プロが解説】銅相場「暴騰」はなぜ「絵に描いた餅」なのか?鉄相場「2段階上昇」の背景と専門家の見解

「銅相場が暴騰したと聞いたのに、なぜか手元のスクラップの売値が上がらない…」 「鉄相場が上がっているようだが、どういう理由で、どこまで続くのだろう?」


皆様の工場や事業所で日々発生する金属スクラップ。その価値が、世界経済の動向、為替レート、そして国内メーカーの在庫状況といった、実に多くの要因によって日々変動していることをご存知でしょうか。金属スクラップの価格は、もはや単なる「くず」の値段ではなく、実体経済と国際情勢を映し出す複雑な指標なのです。


しかし、その複雑さゆえに、専門知識がなければ価値を正しく見極め、最適なタイミングで売却することは非常に困難です。ニュース上の「暴騰」という言葉に惑わされ、現実の取引価格(仕切値)とのギャップに気づかず、売却のチャンスを逃してしまうことも少なくありません。


そこでこの記事では、群馬県太田市で100年以上にわたり金属リサイクルに携わり、市場の荒波を乗り越えてきた専門家集団、株式会社安藤が、現在の最新市況(10月23日時点)と今後の見通しを、どこよりも深く、そして分かりやすく解説します。皆様の大切な資産である金属スクラップの価値を最大化する一助となれば幸いです。


※本記事に記載されている金属相場の情報は、2025年10月23日時点のものです。最新の価格や市況については、変動する可能性があるため、必ずお問い合わせください。




2.銅相場の最新動向とプロの視点:「絵に描いた餅」のカラクリ

まず、EV(電気自動車)やインフラ関連で常に注目される「銅」の相場から見ていきましょう。


現在の銅相場について、代表の安藤は「暴騰してからのジリ貧状態」と分析します。さらに、「暴騰の場合、仕切値の発表される前に相場が下がるので結果『絵に描いた餅』?」と、現場のリアルな実態を指摘します。


これは一体どういうことでしょうか? 銅相場は、ロンドン金属取引所(LME)などの国際相場が先行して動きます。投機的なマネーの流入や海外の突発的なニュースで、この国際相場が「暴騰」することがあります。


しかし、私たちが実際にスクラップを売却する際の国内価格(仕切値)は、国内の電線メーカーや伸銅メーカーが決定します。彼らは、自社の製品の売れ行きや在庫状況といった「実需」に基づいて価格を決めます。


国際相場が「暴騰」しても、国内の実需が伴わなければ、メーカーは高い仕切値を提示することに慎重になります。彼らが「この高騰は本物か?」と様子を見ている間に、先行していた国際相場が下落に転じてしまう。


これが「仕切値の発表される前に相場が下がる」現象の正体です。つまり、データ上は高値がついても、実際の取引ではその価格が適用されないまま終わってしまう。まさに「絵に描いた餅」というわけです。


こうした局面で重要なのは、表面的な価格情報に一喜一憂せず、その裏にある「実需」と「仕切値」のメカニズムを理解するパートナーと組むことです。株式会社安藤は、長年の経験で培った相場観と情報網を駆使し、このような不安定な市場でもお客様の利益を守るための最善のご提案をいたします。「ピカ線」から「並銅」まで、品物の特性に合わせた最適な売却戦略をご案内します。




3.鉄相場の最新動向と「2段階上昇」の背景

次に、あらゆる産業の基盤となる「鉄」のスクラップ相場です。こちらについては、力強い動きが見られます。


「鉄相場、2段階で上がりましたね、予想通り?!」と安藤は語ります。


この「予想通り」という言葉は、安藤が国内の景況感だけでなく、より複合的な要因を読み解いていたことを示しています。


今回の「2段階上昇」の背景には、国内の電炉メーカー(鉄スクラップを原料に鉄鋼製品を作るメーカー)と、海外のバイヤー(特にアジア諸国)との間で繰り広げられる「鉄スクラップの綱引き」があります。


昨今の円安傾向も相まって、海外のバイヤーにとっては日本の鉄スクラップが割安に見え、買い付け意欲が非常に強い状態です。 国内の電炉メーカーとしては、海外に買い負けて原料が確保できなくなっては困るため、海外相場の上昇に追随する形で、段階的に国内の買取価格を引き上げざるを得ません。


今回の「2段階上昇」は、こうした「海外需要の強さ」と「国内メーカーの原料確保の動き」が組み合わさった結果と見ることができます。安藤は、この力関係を事前に予測していたのです。


このような上昇局面では、もちろん高値売却のチャンスですが、同時に「品質」による価格差もより明確になります。不純物の混入(コンタミネーション)を防ぎ、適切に分別管理することで、基準価格以上の高値を引き出すことも可能です。株式会社安藤では、お客様の状況に合わせた最適な分別方法のご提案や、専用の保管容器(鉄箱)の貸し出しなども行っております。




4.相場だけじゃない!買取価格を決める「3つの重要要素」

金属スクラップの最終的な買取価格は、これまで述べてきた「相場」だけで決まるわけではありません。以下の3つの要素が複雑に絡み合って決定されます。



① 品質(Quality)と純度(Purity)

最も重要な要素です。例えば、銅線にビニールの被覆や端子が多く付着していれば、それらを除去する手間(加工処理コスト)がかかるため、同じ重量の銅でも買取価格は下がります。鉄くずにプラスチックや木くずといった異物(ダスト)が多く混入している場合も同様です。品目ごとに純度が高い状態でまとめていただくことが、高価買取の絶対条件となります。



② 量(Volume)と物流(Logistics)

一度にまとめてお売りいただく「量」も価格に影響します。少量ずつ何度も運搬するよりも、大型トラックで一度に多くの量を引き取らせていただく方が、運搬効率が格段に上がり、その分を買取価格に還元しやすくなります。株式会社安藤では、ヒアブ付きトラックや大型トレーラーまで多様な車両を保有しており、お客様の排出量に合わせた最適な回収プランをご提案できます。



③ 加工処理コスト(Processing Costs)

スクラップは、買い取ったそのままの状態で製鋼メーカー等に納入できるわけではありません。切断、圧縮、選別といった中間処理が必要です。この処理を自社で完結できるか、他社に外注するかでコストが大きく変わります。当社は敷地内に多種多様な重機や加工設備(ギロチンシャーなど)を備えているため、効率的な自社処理が可能です。この強みが、他社には真似のできない高価買取の源泉となっています。


これら3つの要素を総合的に判断し、お客様にとっての価値を最大化するのが、私たちの仕事です。




5.お客様の声が証明する「信頼」という価値

ここまで専門的な話をしてきましたが、結局のところ、これら3つの要素を最適化するには、お客様と私たちの間の密なコミュニケーションと「信頼関係」が不可欠です。


先日、長年お付き合いのある金属プレス加工業のお客様から、私たちの存在価値を再認識させられる、こんな嬉しいお言葉をいただきました。


金属プレス加工(製造)業 L社 ご担当者様 「社内ではスクラップや産廃のことはもちろん、何か分からない事案が起きたら、まず安藤さんに聞いて解決してもらっています。おかげで、社内での私の株が上がってますよ(笑)」


私たちは単にスクラップを「買う」業者ではありません。L社様にとってそうであるように、お客様の事業に寄り添い、廃棄物やリサイクルに関するあらゆる「困った」「分からない」を解決するパートナーでありたいと心から願っています。このような信頼関係があるからこそ、お客様の現場の状況を深く理解し、より価値を高めるための具体的なご提案ができるのです。




6.まとめ:貴社の金属スクラップ、私たちに一度見せてください

今回の内容をまとめます。


銅相場は、国際相場と国内の「仕切値」のギャップがあり、ニュースの「暴騰」が「絵に描いた餅」になることも。プロの分析が不可欠です。


鉄相場は、海外需要に引っぱられる形で「2段階上昇」。専門家はこの流れを「予想通り」と読んでいます。


買取価格は「相場」だけでなく「品質」「量」「加工コスト」で決まります。


これらを最適化するには、信頼できるパートナーとの連携が重要です。


もし、この記事を読んで「自社のスクラップは、本当はもっと価値があるのではないか?」「今の取引業者は、ここまで説明してくれない…」と少しでも感じていただけたなら、ぜひ一度、私たち株式会社安藤にご相談ください。


「これはどうだろう?」と思ったら、まずはお手元のスクラップの写真一枚からでも構いません。


専門知識豊富な安藤のスタッフが、お客様の状況を丁寧にお伺いし、価値向上のための最適なプランをご提案します。もちろん、ご相談・お見積もりは無料です。長年のお取引業者様との比較(相見積もり)も歓迎いたします。


皆様からのご連絡を、心よりお待ちしております。

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